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老齢厚生年金の繰下げ制度について注意点も含めて解説します

老齢厚生年金の繰下げ制度について注意点も含めて解説します

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悩んでいる人
・65歳からの年金を請求しないと金額が増えるの?

 

このような疑問にお答えします。

 

こんな方におすすめ

  • 老齢厚生年金の繰下げ制度について知りたい人
  • 老齢厚生年金の繰下げ制度を利用するときの注意点を知りたい人

 

本記事の信頼性

この記事を書いている管理人のsamkは年金業務に8年以上従事しています。老齢・遺族・障害年金の裁定件数は1000件以上経験をしています。年金の決定額が毎年下がっている現状を目の当たりにしています。

 

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老齢厚生年金の繰下げ制度について解説します

老齢厚生年金の繰下げ制度について解説します

最近は政府主導で「70歳現役社会」を見据えた法整備が進んでいますが、政府もゴリ押しする年金の繰下げ制度について解説します。

 

その前に大前提として、繰下げ制度を利用できるのは65歳から支給される年金だけです。

 

65歳より前に支給される「特別支給の老齢厚生年金」には繰下げ制度はないので気をつけましょう。

 

また、遺族年金や障害年金の受給者は繰下げ制度を利用できません。

 

老齢厚生年金の繰下げってどんな制度?

年金の請求書は65歳になる前に老齢厚生年金と老齢基礎年金の請求書が自宅に送付されてきます。

 

この請求書を民間の人は年金事務所、公務員の人は各共済組合に提出することにより65歳から年金が発生します。

 

繰下げ請求は65歳前に届く年金の請求書を提出せずに66歳以降に請求の申出をした場合は、その申出をした月の翌月から増額した老齢厚生年金を受けることができます。

 

これを老齢厚生年金の繰下げ請求といいます。

 

簡単に言うと年金をわざともらわないことで年金額を増やすことができる制度のことです。

 

ただし、繰下げ請求をするときは1年以上あとの66歳以降に請求をする必要があるので注意しましょう。

 

現在は最大で70歳までの5年間繰下げすることができますが、2020年度の年金制度改革で令和4年4月からは最大で75歳まで繰下げすることができるようになります。

 

ちなみに年金を支給開始年齢より早く請求することを「繰上げ請求」といいます。

≫繰上げ請求についてくわしく知りたい人はこちらの記事を参考にしてください。

 

老齢基礎年金も一緒に繰下げをする必要があるの?

老齢厚生年金の繰上げ請求(早くもらうこと)は65歳から支給される老齢基礎年金も一緒に繰上げ請求する必要がありました。

 

しかし、この繰下げ制度は老齢厚生年金と老齢基礎年金を別々に繰下げ請求することができます。

 

例えば、老齢厚生年金だけ65歳から請求して老齢基礎年金は68歳で請求したり、逆に老齢基礎年金を65歳から請求して老齢厚生年金は67歳で請求したりということができます。

 

両方の年金を繰下げして片方を67歳で請求して、もう片方を70歳までの請求をしないということもできます。

 

繰下げ請求をするとどのくらい年金が増えるの?

繰下げ請求をすることによる加算額は、1ヶ月遅らせることにより65歳からもらえる年金に0.7%増えた金額を受給することができます。

 

繰下げ請求は1年以上は請求することができないので66歳から70歳までの間で請求をすることになります。

 

そのため、加算率は最低で8.4%から最大で42%の増額された年金を受けることができます。

注意ポイント

2020年度の年金制度改革により、令和4年4月からは最大で75歳まで繰下げすることができるようになります。そのため、加算率は最大で84%の増額された年金を受け取ることができるようになります。

 

年金の繰下げ中に死亡した場合はどうなる?

繰下げ期間中に自分が死んだ場合はどうなるのか、年金がもらえないのではないかと気になると思います。

 

繰下げ期間中に亡くなったときは、65歳に請求があったものとして65歳にさかのぼって年金を決定し、未支給部分を遺族にまとめて支払うようになりますので安心してください。

 

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年金の繰下げ制度の注意点【超重要】

繰下げ制度の注意点について解説します。

 

在職中の人は要注意!

年金受給者が厚生年金制度に加入して働いて一定の収入があるときは年金の一部または全部が停止されることがあります。これを在職老齢年金と言います。

>>在職老齢年金についての詳しい記事はコチラ

 

繰下げ請求をしたときの加算額は65歳からもらえる年金額に繰下げ期間に応じた加算率(8.4%〜42%)を乗じた年金をもらうことができますが、在職老齢年金によって停止されていた部分については加算の対象にならないので注意が必要です。

 

例えば、65歳の年金額が140万円の人が67歳で繰下げ請求をしたときは16.8%(235,200円)増えた年金をもらうことができますが、在職老齢年金によって100万円停止されていたときは支給される40万円の部分だけが増額の対象になります。

 

そのため、40万円に16.8%を乗じた67,200円が増加額となるので働いて在職老齢年金によって停止されるような人は注意しましょう。

老齢基礎年金には働いていることによる停止はないのですべての金額が加算対象になります。

 

加給年金が加算される人は要注意!

65歳から加算される加給年金は繰下げ請求の加算計算の対象にならないので注意しましょう。

 

また、繰下げ請求をした時点で年下の配偶者が65歳以上になっていたら結果的に加給年金をもらうことができなかったということになるので、そのあたりも計算して繰下げ制度を利用するかを考えるようにしましょう。

 

遺族年金には増加額は反映されません!

繰下げ請求をしたことによる増加額は遺族年金には反映されないので注意しましょう。

 

あくまで繰下げ請求を利用した本人のみに加算されるものになります。

 

年金の繰下げで得をする人はどんな人?

それでは、結果として繰下げ請求を利用することで得をする人はどんな人なのか。

 

それは加給年金の加算されない人で繰下げ期間分の年金(支給されなかった分の年金)を増加額で取り返すまで長生きできる人だと言えます。

 

しかし、いつまで生きるかは誰にもわからないことですので生活資金に余裕がない限り利用しないほうがいいでしょう。

 

それでも利用するときは本記事で説明をした注意点に気をつけて利用するようにしましょう。

 

以上、年金の繰下げ制度の解説でした。

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